◆先生からの説明
入院当日に婦人科の先生から手術の説明があり、学校を早退して来た娘と、私の両親とで聞きました。
他の臓器に転移は見られない、リンパは後の病理検査で、卵巣.子宮に付随するもの全摘する、大網も摘出する。
要約するとこんな感じでした。
「大網はね、たまに料理とかで見かける豚の網脂あるでしょ。あんなんが人間にもあるんよ。エプロンみたいに垂れ下がってるんよね。あれも取るからね。」
真剣に聞いていたんですが、急に頭の中にキッチンが出てきて可笑しくなってしまいました。
「ガンになったのは残念やったけど、幸い今回摘出するのは無くても生きていくのに問題ないものばかりやから。」
(たしかに。)
「ガン細胞は目に見えないけど、出来るだけキレイに取り除いて、その後抗がん剤するからね。」
家族も私も黙って神妙に聞いておりました。
すると急に先生が
「あなたね、自分大したことないと思ってるでしょ!」
(とんでもない!かなりビビってますよ?)
「卵巣はお腹の中でプカプカ浮いてる状態でむき出しなの。つまり周りの臓器はガン細胞に晒されてるの。溜まってる腹水にはガン細胞がいっぱいで、それが飛び散ったら播種っていうんやけど、それがいつ起こってもおかしくない状態なんやで!播種が起こったら僕ら医者にはもう何も出来ないから!多臓器不全って聞いたことあるでしょ?あれやから!」
(!!!!)
そんなにビビらせなくても(;´д`)
私、昔から感情が顔に出ないタイプだと知っていましたが、今だに、こんな時までだったとは‥‥。
ガンにも手術自体にもビビってたんですけどね。正直、泣いてしまうくらい。
聞いてた家族全員、どょ〜ん。
説明が終わった後、父母は何も言いませんでしたが、思いがけず娘が黙って泣くのです。それがたまらなく辛かったです。
夕食の病院食はハンバーグでした。
しばらく普通のご飯は食べれないので、最後の晩餐と思いながら味わっていただきました。忘れられないハンバーグです。
追伸、ちょっと乱暴に見えるかも?な先生ですが、本当に良い先生なんですよ(笑)
先生の名誉の為に付け加えておきます。